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地域環境問題とは、環境破壊による影響が国内、もしくは一部に限られるものであり、地球環境問題になると、その影響は地球全体規模に及ぶ。日本における地域環境問題の具体例としては、鉱毒事件、四大公害病、都市ガスや騒音問題などがあり、地球環境問題では、酸性雨やオゾン層の破壊、 地球温暖化や、それに伴う砂漠化、発展途上国の公害問題など、様々な例が挙げられる。
では、どちらを優先して解決させるべきだろうか。その答えは出ないだろう。というのも、地域環境問題は、地球環境問題へとつながっているからである。つまり、地域環境問題の総和が地球環境問題であり、一つ一つの環境問題における課題をクリアしていくことで、地球規模の環境問題の解決を目指すことが出来るのである。
1980年代後半、日本でも大きく報道された、フロンによるオゾン層の破壊というニュースは耳に新しいだろう。実際、そのニュースの直後にフロンガスを含む整髪料は、製造が中止され、ヘアスプレーのボトルには、『フロンガスを使用していません』という注意書きを商品に記すのが当たり前となった。各家庭、もしくは個人による環境汚染の自覚を促すものとして、このフロンガスはある意味有効に働いたといえる。
世界規模での環境問題に対する会議や取り決めがなされ、「地球にやさしい」や「エコライフ」などといった活動も頻繁に行われるようになった。特に温暖化の原因である二酸化炭素の総排出量を減らそうという動きは近年盛んに叫ばれ始めたように思う。京都議定書は、その際たるものだといえる。
しかしながら、地球温暖化によって、海面が10センチ上昇するといっても、その恐ろしさがいまいちピンと来ないという人の方が多数派だろう。地球環境問題は、進行が遅い。数十年の歳月をかけて地球を蝕んでいくため、個人がその変化を体感し、危機感を持って生活を送るのは困難である。更に、環境問題に必ず発生する、加害者と被害者。公害問題では、企業や国が加害者であり、地域住民が被害者であるという明確な線引きがなされた。しかし、地球規模で考えた場合、その被害者は地球全体であり、加害者は我々消費生活を送っている人類全体である。つまり、加害者も被害者であるという現象が起きる。環境に対する責任は取りようがない。今現在でも、商業目的で熱帯雨林は切り倒されて減少傾向にあるし、生活排水や工業排水から流れ出る汚濁で海洋汚染は進む一方である。地球環境問題の末端には、どうしたって絶対に我々個人の影が潜んでいる。
地球規模という単位で環境問題を考えると、現在の状態は最悪だといえる。今までの人類による奔放な消費生活の結果だから、それはもう、どうすることも出来ないというのもまた事実である。しかし、今起こっている問題に目を向け、未来に希望の光を灯すことは可能だと思う。大切なのは、私たち個人の環境問題に対する意識レベルを向上させることではないだろうか。